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【視点】「シャングリラ会合」は多くの問題における意見の相違を明らかにした
【視点】「シャングリラ会合」は多くの問題における意見の相違を明らかにした
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... 2023年6月7日, Sputnik 日本
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その一つとして3年ぶりとなる日韓の防衛相会談が行われたほか、日中防衛相会談も実施された。日本の浜田靖一防衛大臣と中国の李尚福・国務委員兼国防相による会談は、李氏が今年3月に国防相に任命されて以降、初めての会談となった。会談で両大臣は互いを非難した。浜田大臣は日本周辺で実施されている中露の軍事演習に懸念を示し、台湾海峡における平和と安定の維持を支持すると発言。一方の李大臣は中国はロシアとの合同軍事演習への参加を継続するとし、アジア太平洋地域の国々に対し、台湾をめぐるすべての問題は中国の内政だと言明した。しかしながら双方は、新型コロナウイルスによるパンデミックにより中断されていた防衛当局間の対話の再開について意見を交わしたほか、5月に運用が開始された日中防衛当局間を直接結ぶホットライン(専用回線)を適切に運用することで合意した。また今後も両国で対話や交流を推進していくことで一致した。会議の参加者らによれば、アジア太平洋地域またその他地域の安全にとっての潜在的な脅威は、何より、中国が突然、力による現状変更を試みた場合の台湾をめぐる軍事紛争、そして長期化する米中の対立である。会議では米国のロイド・オースティン国防長官が、中国指導部に対し、インド太平洋地域の安全と安定の保証を目的とした二国間協議を再開するよう呼びかけた。ロイド長官によれば、他でもない米中間の協議こそが地域の平和と安全の維持に向けた道にある防御柵のようなものだからだ。そしてこれによって、危機的状況あるいは紛争に発展するような対立や意見の食い違いを回避することができるのである。一方の中国は、他でもない米国の行動がインド太平洋地域の安全に対する脅威となっているとの考えを示している。これより前、中国は米国軍との交流や協力を停止しており、「シャングリラダイアログ」で李国防大臣がロイド・オースティン国防長官との会談を拒絶したことは大きな話題となった。一方、米国、日本、豪州、フィリピンは今回の会議で、インド太平洋地域における防衛分野における協力の強化について合意した。豪州は、長期にわたって、紛争とは一線を画し、米国とのパートナー関係に大きく依存してきたが、現在は日本、韓国、インド、フィリピンなどとより緊密な関係を維持しようとしている。豪州にとって、これは防衛分野へのより大きな投資と軍事抑止力を維持を意味する。ちなみに、豪州、米国、インド、日本は日米豪印戦略的同盟クアッドを立ち上げたが、最近、この同盟にはフランスや英国も関心を示している。中国はクアッドを中国の政府に反対するための手段であると考えている。一方、会議の参加者らは、インド太平洋地域を不安定化している2つ目の理由として、国連の決議案に違反しながら、継続されている北朝鮮の核問題を挙げた。北朝鮮が核開発を中断し、ミサイルの発射を止める兆候がまったく見られないことから、米国、日本、韓国は今年、北朝鮮が発射するミサイル情報をリアルタイムで共有システムを創設することで合意した。そして脅威となっている3つ目のファクターとして挙げられたのがロシア・ウクライナ紛争である。会議では、インドネシアのプラボヴォ・スビアント国防相が、突如、紛争の停戦案を披露した。プラボヴォ・スビアント国防相は、前回の「シャングリラダイアログ」ではインド太平洋地域の問題に焦点が当てられたが、今はエネルギー資源や食物の価格が高騰するなど、ウクライナ情勢が世界中の人々に影響を及ぼしていると指摘した。インドネシアが示した停戦案は、双方が現在の位置で即時停戦し、戦線からそれぞれ15キロ圏内を非武装地帯とするもので、国連軍を非武装地帯に派遣し、またすべての紛争地帯で住民投票を行うというものである。この停戦案について、プラボヴォ・スビアント国防相は、南北朝鮮の非武装地帯の原則を基にしたものだと明かしている。大臣は、「もっとも朝鮮半島における紛争は現在も完全かつ最終的には解決されていない。しかし、少なくともすでにほぼ50年にわたり、一定の平和が保たれており、大量破壊や罪のない一般市民を犠牲にするよりははるかによい」と述べた。しかしながら、あらゆることから判断して、中国の停戦案も、インドネシアの停戦案も、ウクライナや欧米を納得させるものではない。米国とその同盟国は、ロシアの敗北を期待し、ウクライナへの兵器供与を強化していく意向である。シンガポールでのアジア安全保障会議を総括し、高等経済学院世界経済・国際政治学部のアンドレイ・スズダリツェフ准教授は次のように述べている。
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【視点】「シャングリラ会合」は多くの問題における意見の相違を明らかにした
2023年6月7日, 15:15 (更新: 2023年6月7日, 15:19) 6月2日から4日にかけてシンガポールで開かれた第20回アジア安全保障会議「シャングリラ会合」には、40カ国以上の国防大臣、政府高官、ビジネス界の代表者、学者など、500人が参加した。この会議の目的はアジア太平洋地域の安全と安定のための信頼と協力の強化である。またこの会議は参加国の国防大臣の間での意見交換の場ともなっている。開催者の発表によれば、今年の会議では、121の二者会談が行われた。
その一つとして3年ぶりとなる
日韓の防衛相会談が行われたほか、日中防衛相会談も実施された。日本の浜田靖一防衛大臣と中国の李尚福・国務委員兼国防相による会談は、李氏が今年3月に国防相に任命されて以降、初めての会談となった。
会談で両大臣は互いを非難した。浜田大臣は日本周辺で実施されている中露の軍事演習に懸念を示し、台湾海峡における平和と安定の維持を支持すると発言。一方の李大臣は中国はロシアとの合同軍事演習への参加を継続するとし、アジア太平洋地域の国々に対し、台湾をめぐるすべての問題は中国の内政だと言明した。しかしながら双方は、新型コロナウイルスによるパンデミックにより中断されていた防衛当局間の対話の再開について意見を交わしたほか、5月に運用が開始された日中防衛当局間を直接結ぶホットライン(専用回線)を適切に運用することで合意した。また今後も両国で対話や交流を推進していくことで一致した。
会議の参加者らによれば、アジア太平洋地域またその他地域の安全にとっての潜在的な脅威は、何より、中国が突然、力による現状変更を試みた場合の台湾をめぐる軍事紛争、そして長期化する米中の対立である。
会議では米国のロイド・オースティン国防長官が、中国指導部に対し、インド太平洋地域の安全と安定の保証を目的とした二国間協議を再開するよう呼びかけた。ロイド長官によれば、他でもない米中間の協議こそが地域の平和と安全の維持に向けた道にある防御柵のようなものだからだ。そしてこれによって、危機的状況あるいは紛争に発展するような対立や意見の食い違いを回避することができるのである。
一方の中国は、他でもない米国の行動がインド太平洋地域の安全に対する脅威となっているとの考えを示している。これより前、中国は米国軍との交流や協力を停止しており、「シャングリラダイアログ」で李国防大臣がロイド・オースティン国防長官との会談を拒絶したことは大きな話題となった。
一方、米国、日本、豪州、フィリピンは
今回の会議で、インド太平洋地域における防衛分野における協力の強化について合意した。
豪州は、長期にわたって、紛争とは一線を画し、米国とのパートナー関係に大きく依存してきたが、現在は日本、韓国、インド、フィリピンなどとより緊密な関係を維持しようとしている。豪州にとって、これは防衛分野へのより大きな投資と軍事抑止力を維持を意味する。
ちなみに、豪州、米国、インド、日本は日米豪印戦略的同盟クアッドを立ち上げたが、最近、この同盟にはフランスや英国も関心を示している。中国はクアッドを中国の政府に反対するための手段であると考えている。
一方、会議の参加者らは、インド太平洋地域を不安定化している2つ目の理由として、国連の決議案に違反しながら、継続されている北朝鮮の核問題を挙げた。北朝鮮が核開発を中断し、ミサイルの発射を止める兆候がまったく見られないことから、米国、日本、韓国は今年、北朝鮮が発射するミサイル情報をリアルタイムで
共有システムを創設することで合意した。
そして脅威となっている3つ目のファクターとして挙げられたのがロシア・ウクライナ紛争である。会議では、インドネシアのプラボヴォ・スビアント国防相が、突如、紛争の停戦案を披露した。プラボヴォ・スビアント国防相は、前回の「シャングリラダイアログ」ではインド太平洋地域の問題に焦点が当てられたが、今はエネルギー資源や食物の価格が高騰するなど、ウクライナ情勢が世界中の人々に影響を及ぼしていると指摘した。
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示した停戦案は、双方が現在の位置で即時停戦し、戦線からそれぞれ15キロ圏内を非武装地帯とするもので、国連軍を非武装地帯に派遣し、またすべての紛争地帯で住民投票を行うというものである。この停戦案について、プラボヴォ・スビアント国防相は、南北朝鮮の非武装地帯の原則を基にしたものだと明かしている。
大臣は、「もっとも朝鮮半島における紛争は現在も完全かつ最終的には解決されていない。しかし、少なくともすでにほぼ50年にわたり、一定の平和が保たれており、大量破壊や罪のない一般市民を犠牲にするよりははるかによい」と述べた。
しかしながら、あらゆることから判断して、中国の停戦案も、インドネシアの停戦案も、ウクライナや欧米を納得させるものではない。米国とその同盟国は、ロシアの敗北を期待し、ウクライナへの兵器供与を強化していく意向である。
シンガポールでのアジア安全保障会議を総括し、高等経済学院世界経済・国際政治学部のアンドレイ・スズダリツェフ准教授は次のように述べている。
「この会議は、平和と安全の維持という見地から有益なものだと考えます。なぜなら、真実は、軍事紛争ではなく、互いに意見を交わし、相対する考えがぶつかり合うことで生まれるからです。ですから、この会議でも台湾問題は、ロシア・ウクライナ紛争を背景に、このような展開をさせないという形でとらえられています。日本が北朝鮮のミサイルを非常に恐れていることは承知しています。北朝鮮が直接、日本に対する脅威となっているわけではないものの、彼らは安全ではないと感じています。会議シャングリラダイアログはいかなる共通の決定を下さず、そして下すことができなくても、参加者たちは例外なく、平和への願望を示し、自らの解決策を提案しています。緊張を緩和するためには、すべての国との対話が必要です。隣国に脅威を与えたり、ヒステリックを起こすのではなく、協議を行い、信頼関係を醸成することが大切です。
わたし自身、極東出身で、アジア太平洋地域ではすべてが隣り合っていることを知っています。台湾をめぐって軍事紛争が勃発したり、北朝鮮のミサイルが偶発的に日本に落下すれば、その『火花』が大きな『火災』を引き起こし、世界全体にとっての大悲劇となる可能性があるのです」