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鹵獲された戦車「レオパルト2」 ロシアにどのように調べられるのか
鹵獲された戦車「レオパルト2」 ロシアにどのように調べられるのか
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ドイツの戦車「レオパルト」と米国の歩兵戦闘車「ブラッドレー」は近く、ロシアの軍産複合体の専門家によって詳しい調査がなされる。「レオパルト」と「ブラッドレー」は、ロシアの軍産複合体が注目する特徴を数多く備えている。 2023年6月17日, Sputnik 日本
2023-06-17T12:36+0900
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西側諸国によるウクライナへの兵器供与
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鹵獲に成功した車両の数ザポロジエ戦線における攻勢の最初の数日間で、ウクライナ軍は「A6」改良型を含む少なくとも8台の「レオパルト2」戦車を損失した。このうちの少なくとも2台が、無限軌道(いわゆるカタピラ)や戦闘室の損傷など状態の差はあれども鹵獲された可能性がある。「ブラッドレー」の鹵獲数は2~5台とされている。ブラッドレー歩兵戦闘車のどんな要素が注目されているのか?ウクライナには、「M2A2 ODS(砂漠の嵐作戦)」規格に改良された「ブラッドレー」が供与された。これは、1991年のイラク戦争で得た経験に基づいた改良を施したものである。ロシア軍産複合体が特に注目しているのは、ブラッドレーに搭載されている25ミリ機関砲「M242ブッシュマスター」だといえるだろう。この機関砲は多くの国で標準装備となっており、他のシリーズと部品や技術的ソリューションを共有する。ブッシュマスター用の25ミリ徹甲弾も同様に関心を集めている。演習場でロシアの武器に向けて試射すれば、「ブッシュマスター」がロシア製装備に対しどの程度有効であるかが明らかになるだろう。その後に、ロシア製の装甲を改善する必要性について結論を出すことができる。開閉式スロープ(車両後部の乗降用扉)を備えた油圧システムも同様に注目される。現時点でこのような積み下ろしシステムを備えたロシアの車両は、歩兵戦闘車「マヌル」「クルガネツ」、装甲兵員輸送車「ブーメランク」、戦車「アルマータ」をベースにした重歩兵戦闘車の3種のみである。装甲用合金や照準装置、ベトロニクスなどその他の要素も調査の対象となる可能性がある。ただし、これは供与時にどの部品が取り外されたかによる。米国の「ブラッドレーM2A2 ODS」には、戦術航法装置や戦闘指揮システム「FBCB2」などの装備が搭載されていた。戦車「レオパルト」 の注目点は?ウクライナ軍がオレホフ方面で失った戦車「レオパルト2A6」は、ウクライナに供与されたなかで最新の改良型だ。このバージョンの「レオパルト2」には、独ラインメタル製の120ミリ戦車砲「L/55」が装備されている。演習場での「T-72B3」「T-80BVM」「T-90M」「T-14アルマータ」などのロシアの主力戦車を対象とした試射で、この兵器の性能を研究することは特に興味深い。また、新たな戦車情報制御システムや火砲制御システムといった、新型の主砲や弾薬向けにつくられた各種設備が注目されている。また、主砲安定化システムや新型の赤外線造影装置「サファイア3」も関心を集めている。また、戦車の装甲もロシアの軍産複合体にとっての大きな関心の一つだ。装甲の設計やタイプ、鋼鉄の厚さや品質、充填材やその配置設計は、「レオパルト」の防御面での特性を把握するのに役立ち、確実に破壊する方法を見つける一助になる。また、「レオパルト2A6」には第3世代の複合装甲が搭載されていることも指摘しておきたい。「アルマータ」のように、パワーパックの原理に基づいて組み立てられたエンジンや変速機なども、調査の対象になるとみられる。「レオパルト」にはセミオートマチックトランスミッション「レンク HSWL 354」と総排気量1500リットルのディーゼルエンジン「MTU」が備え付けられている。結論は?失敗に終わったウクライナの攻勢の過程で鹵獲された西側の兵器は、少なくとも2030年まで北大西洋条約機構(NATO)諸国の軍で第一線として活躍することになる。装甲やその他の特性、部品などを研究することは、NATOの兵器とどのように戦い、どういった軍備が必要になるかを理解する参考になる。
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鹵獲された戦車「レオパルト2」 ロシアにどのように調べられるのか
ドイツの戦車「レオパルト」と米国の歩兵戦闘車「ブラッドレー」は近く、ロシアの軍産複合体の専門家によって詳しい調査がなされる。「レオパルト」と「ブラッドレー」は、ロシアの軍産複合体が注目する特徴を数多く備えている。
ザポロジエ戦線における攻勢の最初の数日間で、ウクライナ軍は「A6」改良型を含む少なくとも8台の
「レオパルト2」戦車を損失した。このうちの少なくとも2台が、無限軌道(いわゆるカタピラ)や戦闘室の損傷など状態の差はあれども
鹵獲された可能性がある。「ブラッドレー」の鹵獲数は2~5台とされている。
ブラッドレー歩兵戦闘車のどんな要素が注目されているのか?
ウクライナには、「
M2A2 ODS(砂漠の嵐作戦)」規格に改良された「ブラッドレー」が供与された。これは、1991年のイラク戦争で得た経験に基づいた改良を施したものである。
ロシア軍産複合体が特に注目しているのは、ブラッドレーに搭載されている25ミリ機関砲「
M242ブッシュマスター」だといえるだろう。この機関砲は多くの国で標準装備となっており、他のシリーズと部品や技術的ソリューションを共有する。ブッシュマスター用の25ミリ徹甲弾も同様に関心を集めている。
演習場でロシアの武器に向けて試射すれば、「ブッシュマスター」がロシア製装備に対しどの程度有効であるかが明らかになるだろう。その後に、ロシア製の装甲を改善する必要性について結論を出すことができる。
開閉式スロープ(車両後部の乗降用扉)を備えた油圧システムも同様に注目される。現時点でこのような積み下ろしシステムを備えたロシアの車両は、歩兵戦闘車「マヌル」「
クルガネツ」、装甲兵員輸送車「
ブーメランク」、戦車「
アルマータ」をベースにした重歩兵戦闘車の3種のみである。
装甲用合金や照準装置、ベトロニクスなどその他の要素も調査の対象となる可能性がある。ただし、これは供与時にどの部品が取り外されたかによる。
米国の「ブラッドレーM2A2 ODS」には、戦術航法装置や戦闘指揮システム「
FBCB2」などの装備が搭載されていた。
ウクライナ軍がオレホフ方面で失った戦車「レオパルト2A6」は、ウクライナに供与されたなかで最新の改良型だ。
このバージョンの「レオパルト2」には、独ラインメタル製の120ミリ戦車砲「L/55」が装備されている。演習場での「T-72B3」「T-80BVM」「T-90M」「T-14アルマータ」などのロシアの主力戦車を対象とした試射で、この兵器の性能を研究することは特に興味深い。
また、新たな戦車情報制御システムや火砲制御システムといった、新型の主砲や弾薬向けにつくられた各種設備が注目されている。また、主砲安定化システムや新型の赤外線造影装置「サファイア3」も関心を集めている。
また、戦車の装甲もロシアの軍産複合体にとっての大きな関心の一つだ。装甲の設計やタイプ、鋼鉄の厚さや品質、充填材やその配置設計は、「レオパルト」の防御面での特性を把握するのに役立ち、確実に破壊する方法を見つける一助になる。また、「レオパルト2A6」には第3世代の複合装甲が搭載されていることも指摘しておきたい。
「アルマータ」のように、パワーパックの原理に基づいて組み立てられたエンジンや変速機なども、調査の対象になるとみられる。「レオパルト」にはセミオートマチックトランスミッション「レンク HSWL 354」と総排気量1500リットルのディーゼルエンジン「MTU」が備え付けられている。
失敗に終わったウクライナの攻勢の過程で鹵獲された西側の兵器は、少なくとも2030年まで北大西洋条約機構(NATO)諸国の軍で第一線として活躍することになる。装甲やその他の特性、部品などを研究することは、NATOの兵器とどのように戦い、どういった軍備が必要になるかを理解する参考になる。