ザポロジエ原発の安全性を巡る状況

ザポリージャ原発へ水供給の配水路に重油漏れ

ザポリージャ(ザポロジエ)原発が位置するウクライナ南部のエネルゴダル市で6日、ウクライナ軍による攻撃があり、原発に水を供給する配水路に重油が漏れ出した。同市行政当局トップのアレクサンドル・ボルガ氏が明らかにした。
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「重油タンクが破損し、原発用の水を供給する配水路に重油が漏れ出した」

ボルガ氏によると、ウクライナ軍の砲撃を受けたのは同市内の火力発電所で、その結果タンクが破損し、流れ出た重油が原発に水を供給する配水路に入ったという。専門家が現地で調査を行っており、対応を検討している。現時点で原発周辺の放射線量に目立った変化はみられないという。
ザポロジエ原発の安全性を巡る状況
世界の主な原子力発電所事故
ザポリージャ原発はウクライナ南部のドニエプル川左岸にある欧州最大級の原発。ロシアのウクライナにおける特殊軍事作戦の開始直後からロシア軍の統制下となっており、ドニエプル川を挟んでウクライナ側と対峙する最前線に位置している。ロシア国防省によると、原発は7月以降、複数回にわたってウクライナ側からの砲撃を受けている。ウクライナ側はこれまで原発への攻撃は否定しているものの、3日には原発周辺のエネルゴダル市への攻撃を認めている。
ザポリージャ原発では9月1日から、IAEAのラファエル・グロッシ事務局長が率いる調査団が査察に訪れた。現地では、ロシア国営の原子力企業「ロスアトム」代表団の団長と同原発の職員がIAEAの調査団を案内し、調査団はウクライナ軍による砲撃の被害を受けた原発区域を視察したという。また、調査後にはIAEAの査察官2人が常駐すると明らかにしている。
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