北朝鮮が4日に日本の上空を通過する形で弾道ミサイルを発射したことを受けて国連の安全保障理事会では対応を協議する緊急会合が開かれた。ロシアの国連副大使はここ数ヶ月間で情勢が急速に悪化したと指摘した。米国、及び地域におけるその同盟国は8月以降から大規模な軍事演習を行っており、北朝鮮によるミサイル発射は周辺で行われる「軽率な」軍事演習に関係していると指摘した。その上でこの軍事活動は米国、地域の同盟国、及び北東アジア全体に影響を与えると警告した。
ロシアは朝鮮半島および北東アジアの国々を危険に晒すようなあらゆる軍事活動に反対すると副大使は表明した。9月末には過去5年間で初となる米韓日による合同軍事演習が行われ、この軍事演習には米軍の原子力空母も参加した。そして北朝鮮国内の極めて重要な施設の破壊を目指す演習が行われた。
大使は、米韓日の間で核兵器を含む米国の抑止兵器を朝鮮半島と北東アジアに設置することが議論されていることは無責任であると評価した。そのうえで、北朝鮮に対する挑発的な軍事的対立の動きが続けば続くほど、北朝鮮側からの反発は強まると評価した。
また米国が北朝鮮への新たな制裁を提案してることについてはこれに反対する姿勢を改めて表明した。中国の張軍国連大使も北朝鮮に対する制裁発動に反対し、米国に具体的な措置を講じ、誠意を示し、北朝鮮の正当な懸念を効果的に解決することで対話再開の条件を作るよう呼びかけた。
一方、米国のトマス・グリーンフィールド国連大使は北朝鮮が米国、及びその同盟国に直接的な脅威をもたらしている以上、無関心ではいられないと表明し、これに対抗する姿勢を示した。
今回の緊急会合では一致した声明の採択には至らなかったことから、安保理は全体の声明をまとめるため、翌週にも再び会合を開催する。
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