世界の小麦価格、5%急騰 ウクライナ産輸出の先行き不安で

世界の小麦価格は10日、約5パーセント急騰し1ブッシェル(約35リットル)あたり、約9.2ドルの値をつけた。米ブルームバーグ通信などが伝えている。同日、ロシアがウクライナ全土への集中攻撃を行ったことによって、ウクライナ産の穀物輸出の先行き不安が市場に広まったためだとみられる。
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ブルームバーグが米シカゴ商品取引所のデータをもとに報じたところによると、同日の小麦の取引価格は4.8パーセント上昇。ウクライナ産穀物輸出の拠点となっている黒海地域の軍事的緊張の高まりによる先行きリスクで、週前半は値動きが不安定になるとの見通しを示している。
2022年初めから小麦の値段は約19パーセント高騰した。ロシア、トルコ、国連、ウクライナによるいわゆる「穀物合意」によって、8月から黒海沿岸の港からウクライナ産の穀物輸出が再開。一時は小麦価格も落ち着いたものの、ここにきて再び危機が迫っている。ロシアとウクライナによる対立が激しさを増すなか、両者が穀物合意の延長に同意できるかも不透明な状態だ。
ウクライナでの露特別軍事作戦
ウクライナにおけるインフラ施設への攻撃
ロシア南部のクリミア半島とクラスノダール地方のタマン半島をつなぐクリミア大橋で8日、貨物自動車が爆発し、大規模な火災が発生。3人が死亡したほか、橋の一部が崩落した。
翌9日、ウラジーミル・プーチン大統領は、クリミア大橋の爆発がウクライナの特殊機関による「民間インフラの破壊を目的としたテロ行為」だと表明。10日には露軍がウクライナの軍事、通信、エネルギー関連施設に対して長距離精密兵器による集中攻撃を行ったと明らかにした。
プーチン大統領は「ロシア連邦領内でテロ行為を実行する試みが続く場合、対応は厳しく、そして脅威のレベルに合致したものとなる」と警告している。
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