討論会に出席した黒田総裁は「日本では、物価上昇率が2%を超えているが原材料費などのコストの上昇によるもので、来年度の物価上昇率は2%を下回ると予想される」と述べ、今の物価上昇はエネルギー価格の上昇などに伴う一時的なものだという認識を示した。
黒田総裁によると、欧米の経済はコロナ禍の前を上回る形で回復しているものの、日本経済の水準はそこまで至っていないという。そのため、賃金上昇も生まれていないと指摘し、欧米との経済状況の違いを説明した。
そのうえで「物価は上がらないというノルム(社会の考え方)を変え、賃金の上昇を伴った持続的で安定的な物価安定目標を確実に実現するには経済を下支えする必要があり、そのためにも金融緩和を継続することが適切だ」と述べ、大規模な金融緩和を続ける姿勢を強調した。
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