ブキャナン氏は「ザ・アメリカン・コンサバティブ」紙に掲載された記事の中で、「つまり、核武装したロシアとの戦争を回避するという我々の死活的な利益は、ウクライナの戦略的戦争目標、すなわちクリミアとドンバスの完全な奪還と衝突する可能性がある」と述べた。
ブキャナン氏によれば、誰がクリミアとドンバスを支配しているかという問題は、核武装した2つの大国間での「戦争の勃発を正当化することはできない。」同氏が指摘するように、誰がウクライナを統治するのかという問題にも、米政府が重大な関心を抱いたことは一度もない。
「実際のところ、ウクライナは19世紀から20世紀にかけてロシアの一部であり、モスクワから統治されていた。これは、5000マイルも離れた米国にとって何の関心も抱かせないものであった」とブキャナン氏は指摘している。
クリミアは2014年3月に実施された住民投票の結果、クリミアの有権者の96.77%およびセヴァストポリの住民の95.6%がロシアへの再編入を望んだため、ロシアの構成体となった。一方でウクライナは未だにクリミアを自国の領土と主張しつづけており、現在の状態を一時的な占領と位置付けている。これに対してロシア指導部は、クリミア住民の実施した住民投票は民主的手段でかつ国際法および国連憲章に完全な形でのっとっており、ロシアへの再編入は投票で選び取られたという立場を何度も繰り返してきた。プーチン大統領は、クリミア問題は「完全に解決済」と指摘している。
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