「賢くない人々はロシアの文化を否定しているが、我々は外国の傑作や文化を否定したりしない。それだけでなく、そうした作品のなかにある人文学の基礎を振興している」
2月のロシアのウクライナにおける特殊軍事作戦開始以降、欧米などの西側諸国でロシア文化を拒絶する動きが広まっている。
米ニューヨークのカーネギー・ホールは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者席に立つ予定だったロシア人指揮者、ヴァレリー・ゲルギエフ氏のコンサートへの参加をキャンセル。ラトビアでは帝政時代の詩人アレクサンドル・プーシキンの銅像を撤去する案が出たり、ペンキをかけられる事件が発生した。こうした事例は枚挙にいとまがない。
日本もアジアを代表する西側の一員で、岸田政権の反ロシア路線によって露日関係はソ連崩壊後最悪ともいわれるまで悪化している。だが文化については、今月離任した駐日ロシア大使のミハイル・ガルージン露外務次官が「日本はロシアの文化に対し、常に大きな尊敬と敬意を抱いてきた」と指摘するように、他の国とは違い交流を続けていこうとする国民世論がうかがえる。
8月末には「ロシア文化フェスティバル2022」の開幕式が東京で行われた。今年は関係悪化を受け日本政府は後援せず、一部プログラムが中止になったが、それでもなお様々なイベントが開催されている。
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