「新部隊の装備では、現在、米海兵隊が使用しているものより軽量な兵器に重点が置かれる。だが、その軽兵器(ドローン、ミサイルなど)も効果は劣ってはならない。新連隊の創設には数年が要されるため、現段階でその能力を中国人民解放軍のポテンシャルと比較することは難しい。沿岸海兵連隊の活動は、自衛隊と緊密に連携するだろうと想定される。
また、兵站や諜報などの分野で在日米軍の大幅な能力強化が予想されており、これもまた新連隊の効果性に影響を及ぼすだろう。また、在日米軍に沿岸配備型の対艦ミサイルを軍備計画も特筆に値する。そして日本政府が鹿児島県の無人島に日米演習のための大規模な空軍基地の建設を決定したのは『離島へ航空自衛隊を引き寄せる』ことにつながる」
「米国は長い間、例えば、オバマ政権時には尖閣諸島など、日本の離島が安保条約の及ぶ圏内に入るのか、それとも防衛範囲は本土のみかという問いに明確な回答を避けてきた。ある種の動きが始まったのはトランプ政権時だ。
今や米国は明確な回答を出しただけではなく、具体的な計画で確約した。これは明らかに岸田氏の政治的勝利だ。そしてこれは、岸田氏がウクライナ危機に関して示す姿勢への米国からの『感謝』の気持ちなのだろう」
「米軍の駐留による負担をより公平に分配しようとしない政府を、沖縄県民と地元の政治家はある種の差別とみなしている(超国粋主義者らは、沖縄県民は日本の『先住民族』ではない、とさえ考えている)。同時に、日米の中国抑止策は、まさに沖縄とその近海での軍事的活動に焦点が当てられている。米国の計画は兵力増員は念頭に入れていないが、海兵隊の沿岸連隊を創設、訓練する過程そのものが地元民の不快感を増大させかねない。とはいえ、日本政府は地元の政治家との協力でも、住民の反感を「保存し、日常化」することにかけても一定の経験を積んでいる」