いかに優れた兵器なのか
「1つ目は、飛翔予定地域の等高線地図情報(デジタルマップ)、そして、レーダー高度計で計測された数値をコンピュータに入力されたものと照合する地形等高線照合装置です。
2つ目はGPS誘導装置。これは、目標の位置を世界測地系WGS 84で特定し、その距離とそこまでの飛行時間を測定するものです。
そして現在、積極的に導入されている3つ目が、デジタル風景照合装置です。これもあらかじめコンピュータにインプットされている画像情報と、実際の風景との照合するものです。このように同時に3つの誘導システムを用いることで、改良型ミサイルの精密度を高めることに成功しています。つまり、精密度と信頼度を上げ、電子戦のシステムからの防御を確実にしているのです」。
無敵というのは神話 到達したのは59発中23発だけ
「つまり、機動性に関しては、旧型をそれほど上回っていないということです。トマホークの大部分は、シリア空軍によって撃墜されたか、レーダーシステムの目標から外れたのです。
これは、防御能力がかなり高くなったとしても、トマホークと戦う方法はまだあるということを意味しています。おそらく、改良型トマホークには電波やその他の電磁放射には見えない素材が多く使われていると思われます。
しかし、こうしたファクターがあっても、ロシアの対空ミサイルシステム「パンツィリ」や「TOR M2」はトマホークに効果的に対抗することができます。また、次世代地対空ミサイルシステムS350「ヴィーチャシ」は米国やトルコなどの国々で、すでに「巡航ミサイルの殲滅者」の異名をとっています」。
自国の開発は延期、米国への支払いは増大
「一方、日本は、よく知られているように、(2035年までに)独自の極超音速ミサイルを開発する計画でした。しかし今のところまだ完成はしていないようです。5世代ジェット戦闘機もこれと同様で、結局は米国の戦闘機F35を購入することになったわけです。
日本政府が独自の開発に資金や力を注がないよう、米国は米国製の極超音速ミサイルという形で防衛することを提案したのです。しかし、このミサイルもまだ開発途中です。ただ、日本には核の傘は今必要なのです。ですから、米国は自分のまだ『神話のような』極超音速ミサイルの代わりに、すでに配備されている最新型のトマホークを追加的に供給することを提案したのでしょう」。