マーリン氏によると、三井物産と日本の独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構「JOGMEC」からなるコンソーシアムは、「アークティックLNG2」の10%の株式を保有している。
「唯一明らかなことは、日本は2022年3月以降、金融制裁のため同プロジェクトへの新規投資を凍結しているということだ。プロジェクトは稼働しているが、まだLNGの生産は開始していない。最初のラインは2023年末までに、2番目と3番目のラインは2024年と2026年にスタートする予定だ。計画通りに進めば、日本は現在ロシアから輸入しているLNGに年間約200万トン分を追加することになり、これはLNG総輸入量全体の約9%を占めることになる」
マーリン氏は、日本は国益に影響する分野でのみロシアと協力を続けていると指摘した。同氏は、アークティックLNG2に加え、ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」と「サハリン2」、そして制裁の対象外である医薬品、医療などのプロジェクト、いくつかの漁業協定について言及している。
その協定の中には、1985年の漁業分野における協力に関するソ連と日本政府間の協定(日本の200海里内におけるロシア産サケの漁獲条件を定めたもの)、1981年の日本の漁業関係者による海藻漁に関するソ連漁業省と北海道漁業組合間の協定が含まれている。マーリン氏は、ロシアは漁業に関するいくつかの協定を停止したと指摘している。
「日本や北海道にとって敏感な分野では(中略)日本側は反ロシアのレトリックのレベルを上げないように、この分野に影響する制裁を最小限に抑えようとしている。しかし、明らかな矛盾がある。一方で我が国はあらゆる罪で非難され、他方では漁業や海洋資源の漁獲に関するすべての協定を厳格に遵守することが求められている。(中略)これにはビザなし交流も含まれている」
しかし、マーリン氏の経験によれば、特に北海道と道内の都市の当局との公式的なコンタクトが停止したにもかかわらず、日本国民のロシアに対する態度は、特に経済関係者やロシアとの協力に携わる人々の間では、より前向きになっている。
「一般市民との関係には何の変化も見られない。むしろその逆で、日本人から支持を得ているし、多くの人々が最近起きた日本の政策の変化を支持しないと明言している」
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