ウクライナ上空の制空権をめぐる闘い

ウクライナへの戦闘機「F16」供与、反転攻勢中には不可能=NATO幹部

北大西洋条約機構(NATO)は、ウクライナが進めるいわゆる反転攻勢の間に米製戦闘機「F16」を供与できない。NATOのロブ・バウアー軍事委員長(オランダ海軍大将)がこうした考えを、英ラジオ局「LBC」の番組に出演したなかで明かした。
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バウアー委員長は次のように述べている。

「戦闘機に関する議論は重要だが、問題は反転攻勢のために短期的に解決されるものではない。ウクライナが戦闘機を求めているのは理解できるが、今の反転攻勢の議論と混ぜて考えてはいけない」

ロブ・バウアー
NATO軍事委員長
また、パイロットや整備要員の養成、戦闘機の供給網の構築などの課題についてバウアー委員長は、「この反転攻勢の間には(編注:達成は)無理だろう」と加えている。
ウクライナはこれまで、2023年中のF16供与を望んできた。だが、米誌「ポリティコ」の報道によると、実現は早くても来年以降になるという。
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ウクライナのドミトロ・クレバ外相も、パイロットの訓練の見通しが立たず、当初の計画より遅れていることを認めている。

「6月に訓練を開始するとある国との約束があったが、彼らはまだ訓練開始の準備を続けているといっている。計算を間違えて、まだ時間が必要だと。だが、我々には時間がない」

ドミトロ・クレバ
ウクライナ外務大臣
オランダ国防省は先月、東欧のいずれかのNATO加盟国に、ウクライナ人パイロットにF16の操縦訓練を行う拠点を開設すると発表した。オランダとデンマークはこの準備を進めており、ベルギー、ルクセンブルク、イギリスなども支援している。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先月、F16がウクライナに供与された場合、もしウクライナ国外に基地を設けたとしても、ロシア軍の攻撃目標の検討対象になりうると警告している。
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