ウクライナ上空の制空権をめぐる闘い

ウクライナ人がF16に乗れるのは1年後=米マスコミ

米国のF16戦闘機を切望しているウクライナだが、最初のウクライナ人パイロットらの養成がかろうじて終了するのは、来年の夏を待たなければならない。ワシントンポスト紙が消息筋からの情報として報じている。
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ワシントンポスト紙のウクライナ人高官、軍人筋からの情報によれば、ウクライナが養成に送り込んだパイロットは現段階ではわずか8人。最初の訓練にいくのはそのうち6人でこれは飛行隊の半分のメンバーになる。あとの2人は補欠。
ワシントンポスト紙によれば、パイロットらはすでに英語を自由に操るようにはなったものの、まずは航空タームを覚えるための4か月にわたる語学研修を英国で受けなければならない。これに並行して陸上で戦う兵士らの訓練も行うよう、デンマークが強要している。ウクライナ人の役人らは、これも第1陣の6カ月の戦闘準備の開始時期を2024年1月までしまったと考えている。オランダはデンマークとタンデムを組み、EUを代表してウクライナ人のF16操縦訓練を行い、ルーマニアでの演習センターの創設に取り組んでいる。ワシントンポスト紙は、こうしたセンター創設もまたプロセスを「引き延ば」してしまっていると書いている。
ウクライナ上空の制空権をめぐる闘い
【視点】ウクライナのF16戦闘機の操縦士は事実上、カミカゼ特攻隊になるのか?
ウクライナの欧州のパートナーらが他に抱える問題は、訓練を受けた専門家がいないこと、トレーニング用の戦闘機がないこと、「空中戦の条件下で」飛行術を教えることができないこと。ウクライナ人高官らは、なぜ米国で訓練を行わないのかといぶかしがっている。米国には大勢のインストラクターがおり、アリゾナ州のルーク空軍基地だけをとっても毎年400人のF-16用パイロットが養成されているからだ。

肝心なのは経験

軍事専門家でロシア政府付属金融大学のウラジーミル・エラノチャン助教授はスプートニク・ラジオに出演した中で、ウクライナ人パイロットらは英語で飛行、操縦タームを学んだところで経験不足は補えないとする見解を表した。

「ロシア人の功労パイロットらが言うには、本当に役に立つ戦闘スキルを得るにはパイロットには最低でも3年はかかる。これはコックピットについての情報をものにする、レバー、インジケーターとか、何百もある装置の名称を、全部英語で覚えるとかいうことは一番大事な事ではないんです。肝心なのは経験。離着陸だけではなく、コックピットにある正規武器の使い方だってそうです。だから普通、養成には何年もかかるわけなんです」

エラノチャン氏は、F16に乗るのは最終的には欧米のパイロットになると見ている。
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