北朝鮮の国営メディア、朝鮮中央通信は28日、最高人民会議で核戦力の開発に関する修正条項が憲法に加えられたと伝えた。報道では「北朝鮮は責任のある核保有国として、自国の存立と発展の権利を保証し、戦争の抑止と地域・世界の平和と安定を守るため核兵器の開発を加速する」と強調されている。北朝鮮は2012年にすでに「核保有国」としてのステータスを明記しているが、今回の修正で核開発の高度化を改めて強調する形となった。
日本の松野博一官房長官は同日の記者会見でこれについて問われると、「北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて容認できない。米韓両国をはじめとする国際社会と連携して北朝鮮の非核化を目指す」とコメントしている。
露科学アカデミー中国現代アジア研究所のコンスタンティン・アスモロフ研究員は、北朝鮮の動きについて日米韓への対抗という側面があるものの、憲法改正によって周辺国との関係が直ちに大きく変化することはないとの見方を示している。
「北朝鮮は核戦力開発を強調することで、日米韓のアジア版NATOの構築に対抗している。一方で、北朝鮮が今のところ核実験を行う様子が見えないことを考えると、憲法改正は単なる外向けのメッセージに過ぎないだろう」
一方で北朝鮮外務省はこのごろ、北朝鮮の核兵器国としてのステータスは最終的なもので、不可逆なものだとする声明を発表。核兵器は米国の敵対的政策から自国を守るために必要だと主張している。
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