北朝鮮、憲法改正で核政策明記 日米韓のアジア版NATOに対抗=専門家

© Sputnik / Илья Питалев北朝鮮のミサイル発射装置
北朝鮮のミサイル発射装置 - Sputnik 日本, 1920, 28.09.2023
サイン
北朝鮮は26、27両日に行われた最高人民会議(議会)で、憲法に「核兵器の高度化」に関する条項を加えることを決定した。専門家は、核政策を憲法に明記することで、アジア版NATO(北大西洋条約機構)とも呼ばれる日米韓の軍事協力に対抗する意図があると説明する。
北朝鮮の国営メディア、朝鮮中央通信は28日、最高人民会議で核戦力の開発に関する修正条項が憲法に加えられたと伝えた。報道では「北朝鮮は責任のある核保有国として、自国の存立と発展の権利を保証し、戦争の抑止と地域・世界の平和と安定を守るため核兵器の開発を加速する」と強調されている。北朝鮮は2012年にすでに「核保有国」としてのステータスを明記しているが、今回の修正で核開発の高度化を改めて強調する形となった。
日本の松野博一官房長官は同日の記者会見でこれについて問われると、「北朝鮮の核・ミサイル開発は断じて容認できない。米韓両国をはじめとする国際社会と連携して北朝鮮の非核化を目指す」とコメントしている。
第841号「英雄キム・クムオク」 - Sputnik 日本, 1920, 24.09.2023
【視点】北朝鮮の新原子力潜水艦 同国エンジニアの奇想天外なソリューション
露科学アカデミー中国現代アジア研究所のコンスタンティン・アスモロフ研究員は、北朝鮮の動きについて日米韓への対抗という側面があるものの、憲法改正によって周辺国との関係が直ちに大きく変化することはないとの見方を示している。

「北朝鮮は核戦力開発を強調することで、日米韓のアジア版NATOの構築に対抗している。一方で、北朝鮮が今のところ核実験を行う様子が見えないことを考えると、憲法改正は単なる外向けのメッセージに過ぎないだろう」

コンスタンティン・アスモロフ
露科学アカデミー中国現代アジア研究所研究員
日本の岸田文雄首相、米国のジョー・バイデン大統領、韓国の尹錫悦(ユンソクヨル)大統領は8月、米ワシントン郊外のキャンプ・デービッドで3カ国首脳会談を行った。会談についてホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報調整官は、「アジア版NATOを創るつもりはない」と発言。だが、3カ国は太平洋地域での軍事協力や共同演習を強化しており、事実上の三角同盟の輪郭はできあがってきている。
一方で北朝鮮外務省はこのごろ、北朝鮮の核兵器国としてのステータスは最終的なもので、不可逆なものだとする声明を発表。核兵器は米国の敵対的政策から自国を守るために必要だと主張している。
関連ニュース
韓国・ソウルで軍事パレード 市街地で10年ぶり
【視点】露朝協力は何を意味するか 東アジアを隔てる2つの三角形=専門家
ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала