2016年の主要トピックはアジアの危機

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日本政府は参議院選挙のある夏までに新たな経済刺激プログラムの開始を検討している。TV朝日が報じた。

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TV朝日の消息筋によれば、2016年度の初め、日本政府は5兆円規模の経済支援プログラムを始動させる。国の歳出の拡大で日本の経済成長にてこ入れし、2017年4月に導入開始の10%消費税による影響を緩和しようとしている。日本政府は2016年明けの1月に人口動態問題の解決、地域経済活性化、老齢人口の社会支援に充てるとして3兆5千億円を拠出したばかり。

現在の日本のマクロ経済的統計は経済状況がはっきり悪化している様子を映し出している。IMFの調べでは、日本のGDPは2012年の5兆9500億ドルから2015年、4兆2100億ドルまで縮小した。もし2016年第1四半期にGDPが再び縮小すれば、GDPの四半期の落ち込みは1年間で3度目となってしまい、これはもう技術的な景気後退を意味することになり、経済再生を図ろうとする安倍氏の政策の信憑性が大きく失われてしまう。

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日本の対外貿易も絶好にいい時期とはいえない。2015年12月、年間輸出額は8%落ち込み、輸出は18%も落ちた。2月16日から日銀は経済成長刺激策としてマイナス金利を導入している。ところがこの措置はビジネス活動には著しい影響を与えなかった。確かに日本には「発展途上国市場」からの流入資本もあるにはあるが、経済成長の観点からいうと、これがもたらす効果はたいしたものではない。

ロシアの世界社会運動研究所、経済調査センターのヴァシリー・コルタショフ所長は日本の危機についてアジア経済には危機モデルとなるものと見方を示し、次のように語っている。

「日本は世界最大の市場のひとつとしてアジア地域に否定的な影響を及ぼしており、日本自身もグローバルな否定的要因の影響を蒙っている。おそらく2016年にこうした日本のネガティブ要因は尽きることはないだろう。とはいえ、危機が集中しているという感じはなくなるだろうが。

そもそも日本にとっては危機か、そうでないかという指標は常に他国の危機脱出や軍事紛争の拡張と密接に関係してきた。1929年から1933年の大恐慌、そして1970年代の危機を抜け出すのは日本にとっては並みのことではなかった。

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そして今、日本はグローバル危機の第2の波をまともに蒙っている。しかも第2の波が日本を襲ったのは中国よりもずっと早かった。これにより日本の国内市場は縮こまり、対外市場もまた縮小している。日本の国内市場は経済の主たる柱ではないことがわかる。しかもこの市場は常に縮小しつづけており、これが円の切り下げに現われ、切り下げによって市場の縮小はますます強まっている。
これはかなりの部分、出口のない状態だ。日本の危機脱出になんら有効な手立ては見られない。このため近隣諸国の市場にネガティブな影響を及ぼすことになるだろう。

アジア太平洋地域の漏斗はぐるぐると回転し始め、アジアの危機はこの先深まっていくだろうと思う。これは中国における危機から姿を現し始める。その中国はかなりの部分、日本の状況を想起させるものとなると思う。これが2016年の主要な出来事となるだろう。」

コルタショフ氏の見解では、TPP加盟が日本経済にとって「救命浮き輪」になることはまずありえず、同様にロシアの東方への政策転換からも早急な成果は期待できない。それでも両方の国が様々な分野で協力を行おうと邁進すれば、長くかかろうとも、これが成果を出さないはずはない。

 

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