2017年日露経済ニュースまとめ

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日露首脳会談 - Sputnik 日本
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今年も残すところあとわずか。2017年に話題になった、日露経済協力に関するニュースについてふりかえってみよう。

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4月27日、安倍首相のモスクワ訪問と日露首脳会談に合わせて、「8項目の協力プラン」を具体化するための28の合意文書が交わされた。その中には石油天然ガス・金属鉱物資源機構とイルクーツク石油の油田合同調査、山口県とクラスノダール地方の協定などが含まれている。また、三井物産はロシアの最大手製薬会社「R-ファーム」への出資を発表し、同社の10%の株式を取得した。

ロシア・ウラジオストク - Sputnik 日本
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その翌日、世耕弘成経済産業大臣兼ロシア経済分野協力担当大臣が、日本の閣僚として初めてヴォロネジ市を訪問。日露都市環境分野協力のモデル都市となっているヴォロネジ市では、ナイス社のスマートウェルネス住宅建設・積水化学工業による水道管のリノベーション事業が進んでおり、京三製作所による高度交通信号システムの導入も秒読みとなっている。

6月1日から3日まで、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムが開かれた。欧米の多くの国が閣僚の参加を見送る中、日本は世耕大臣を団長とする代表団を送り、日露経済に関する分科会が行なわれた。

6月末から7月にかけ、日本の官民調査団が択捉・国後・色丹島を訪問。係争地における日露共同経済活動の可能性について検討がなされた。なお、第2回調査団は10月に派遣された。様々な有望分野がピックアップされたが、事業を実施する際の法的基盤については、いまだ日露間で折り合いがついていない。

ジェトロ米谷理事 - Sputnik 日本
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7月10日から13日まで、ロシア最大規模の総合産業博覧会「イノプロム」がエカテリンブルクで開催された。日本は今年のパートナー国としてジャパンパビリオンを設置し、存在感を発揮した。川崎重工業のブースで村山滋会長から説明を受けたプーチン大統領は、自分も昔、カワサキのバイクに乗っていたことを明かした。エカテリンブルグが位置するスヴェルドロフスク州のエフゲニー・クイヴァシェフ知事はジャパンパビリオンの展示を高く評価。「日本の秩序、日本人の人への接し方に魅力を感じる。日本人は真似するべきお手本だ」と話し、パートナー国である日本に感謝の意を表した。

8月23~24日、新潟市内で日露沿岸市長会議およびビジネスフォーラムが開催された。ロシアからの代表団は野菜の温室や生ごみバイオガス発電センターを熱心に視察した。ロシアではどこの自治体も、ごみ処理問題に頭を抱えている。

9月6日~7日にはウラジオストクで第3回東方経済フォーラムが開催され、医療分野、都市環境改善、デジタル経済などの分野で56件の合意が交わされた。またこのフォーラムに合わせ、1986年に発効した日ソ間の租税条約を全面的に改正する「日・露租税条約」の署名が行なわれた。これにより投資所得に対する課税が更に軽減されることになった。

朝田照男氏 - Sputnik 日本
5年ぶり日露経済合同会議:ビジネス環境が改善しても、ロシアへの投資が伸びない理由とは?
秋から冬にかけて自動車メーカーの嬉しいニュースが続いた。日野自動車は、モスクワ州にトラック組立工場を建設することを発表。稼動開始は2019年を想定しており、小型・中型合わせて年間2000台のトラック生産を見込んでいる。投資総額は10億ルーブル(約18億9千万円)になるとみられている。

三菱自動車は11月からロシアのカルーガ州にある工場「PCMA Rus」で、「パジェロスポーツ」の生産を再開した。ロシア経済危機による自動車市場の低迷のため中断していたが、自動車市場の見通しが明るくなったため生産再開に踏み切った。

11月28日、5年ぶりとなる日本ロシア経済合同会議がモスクワで開かれた。経団連の朝田照男日本ロシア経済委員長は、日本企業のTOR(極東中心に整備されている新型の先進経済特区)の利用率が極めて少ないことを指摘。TORや各種経済特区の利用価値を日本企業が理解できるよう、ロシア側によりわかりやすい情報発信をするよう呼びかけた。また朝田氏は、日露間の貿易が伸びない最大の理由の一つは極東のインフラの未整備にあると指摘し、極東の輸出港としての機能や将来的なキャパシティにも懸念を示した。

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