米政府は2022年12月22日、米製対空防衛システム「パトリオット」を含む、18億5000万ドル(約2380億円)規模のウクライナへの追加軍事支援を決定した。
このため、パトリオットがロシアの空爆やミサイル攻撃を阻止する効果については、特に他の戦域における同システムの戦闘経験が疑問視されていることを考慮すると、深刻な疑問が生じるという。また、その報告書では、パトリオットに使用するバッテリーをどのようにして確保するのか明らかになっていない点が強調されている。バッテリーは、米軍の重要施設、あるいは米インド太平洋軍などの作戦部隊から持ち出される可能性が最も高い。また、この種の兵器は移動が問題になることがある。
これよりも前、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、パトリオットは「旧弊なシステム」であり、ロシア軍が「はじきとばす」と断言した。同メディアは、パトリオットが瞬く間に破壊されるようなことになれば、ウクライナの士気も、米軍の牙城とされるミサイルシステムに対する同盟国の信頼も損なわれると指摘している。
米誌「フォーブス」のポール・イドロン評論員は先日、パトリオットの重要な弱点の1つは、低い機動性であると指摘した。イドロン氏によると、砲撃を受けている状態で同システムを移動させるのは難しく、その上移動にはおよそ90人を擁することになるという。
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