ワリエワ選手は2021年12月25日に行われた露選手権で、世界歴代最高得点を更新し優勝していた。その後、同日採取されたドーピング試料から陽性反応が出ていた。
今月13日、RUSADAはWADAに露選手権でのワリエワ選手の結果を無効とすると通達。これを受け、2位のアレクサンドラ・トルソワ、3位のアンナ・シェルバコワ、4位のアデリヤ・ペトロシャン各選手の順位が繰り上げられるとみられる。
一方で、RUSADAはワリエワ選手自身に責任はないと説明しており、その他の競技結果の取り消しや出場停止処分には至らなかった。WADAの発表には次のように記されている。
「RUSADAの懲戒審判所はワリエワ選手がドーピング違反をしたものの、ワリエワ選手には『責任は全くなく、過失はなかった』としている。よって、RUSADAは検体採取日(2021年12月25日の露選手権当日)の競技の結果を取り消しとする以外のいかなる制裁も加えなかった」
だが、WADAはRUSADAが主張する「責任と過失がない」という結論について懸念を覚えているとしていて、決定に関する詳細な説明をRUSADA側に求めている。場合によってはより厳しい処分を求めて、スポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴も辞さない構えをみせている。
ワリエワ選手のドーピング疑惑問題
2021年12月のドーピング検査でワリエワ選手から禁止薬物であるトリメタジジンの陽性反応が出た。これが明るみに出たのは2022年北京冬季五輪開催中のことだった。このため北京五輪フィギュア団体はロシア代表のチームが金メダルを獲得したものの、表彰式は延期された。ワリエワは当時15歳の「要保護者」で、女子シングルにも出場が許されたものの、4位に終わった。
その後、RUSADAが調査を続けていた。一方、WADAは2022年11月8日、ワリエワのドーピング疑惑問題についてCASに提訴したと明らかにした。RUSADAに迅速な解決を求めたものの、進展がなかったからだと説明していた。
関連ニュース