米露関係の行き詰まり
リャブコフ氏は、米国との二国間対話は「実質的にすべての面で行き詰まって」いるという。その背景には、近年、着実に強化されている米政府の反ロ政策がある。
「軍備管理を含む安全保障情勢の全体が、ロシアに戦略的敗北をもたらすという米国の方針によって人質に取られている。我々は、あらゆる手段を駆使して、最も強い方法でこれに対抗していく」
新STARTは停止する可能性がある
同氏は、戦略的安定と軍備管理に関する二国間の対話が米国側によって停止したと指摘している。ロシア側は、米国が戦略的敗北を賭けたとしても、新戦略兵器削減条約(新START)にコミットし、すべての条項を誠実に遵守している。
リャブコフ氏は、2026年以降の新START条約については、近年の米国の努力は、軍備管理の全体を構成する要素である重要なつながりを「意図的に解体する」ことに集中していると指摘している。
「新STARTはこの方針の犠牲になる恐れがある。我々はそのようなシナリオを想定している。我々は自分たちの安全を保証するために、どのセクションでどのように集中して仕事をする必要があるのか、そして、その結果も含めて計算している。しかし、我々は、それが自分たちの選択ではないという事実を隠すことはしない」
米国はウクライナで皮肉なゲームをしている
リャブコフ氏によると、ロシアはウクライナ危機を解決するために構想を真剣に検討する用意があるが、これまでのところ、まだ誰もそれを適切に策定していない。同氏は、米政権が戦車供与の決定を発表し、米国の「家臣たちが、誰がどれだけの装甲車をウクライナに供給するかを競っている」現状では、ウクライナ人だけでなく、彼らを統治する人々とも話をする意味がないと述べている。
「米国がこのウクライナ危機全体の主導者であるだけでなく、その主な受益者であることは明らかだ。とりわけ、米政権はウクライナを自国の軍産複合体の製品の実験場とみなしている(中略)これらすべては、言うなればロシアの兵器への耐性が試されているのだ」
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