日本側からは、船越健裕外務省アジア大洋州局長と安藤敦史防衛省防衛政策局次長が、韓国側からは、徐旻廷(ソ・ミンジョン)外交部アジア太平洋局長と禹慶錫(ウ・ギョンソク)国防部国際政策次長が出席した。
日本の外務省によると、今回の対話で議論された内容は以下の通り。
日韓を取り巻く戦略環境について意見交換を行い、両国の安全保障・防衛政策について相互理解を深めた。
北朝鮮への対応やインド太平洋における協力を含む、日韓、日米韓の強化について意見を交わした。
日韓は両国の安保・防衛協力の強化に向けて緊密に意思疎通していくことで一致した。
日韓関係は新たな一歩へ
2018年、韓国最高裁は「元徴用工」問題で日本企業に賠償の支払いを命じた。同年12月、韓国海軍の駆逐艦が日本の海上自衛隊哨戒機にレーダー照射した。
日韓安全保障対話は1998年にソウルで初めて開催された。その後、対話は両国間で開催されていたが、「元徴用工」問題をめぐり日韓関係がこじれ、2018年を最後に開かれていなかった。
2019年7月、日本政府は韓国向けの半導体材料3品目の輸出管理を厳格化した。これを受け、韓国では日本製品の不買運動が本格化した。同年8月、日本政府は貿易管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」のリストから韓国を除外した。同年9月、韓国は日本政府が韓国向けの輸出管理を厳しくする措置を取ったことに対抗して日本を世界貿易機関(WTO)に提訴した。
2021年10月、日本で岸田文雄氏が首相に就任した。
2022年5月、韓国で尹錫悦氏が大統領に就任した。
2023年3月6日、韓国政府は「元徴用工」問題の解決策を発表した。同月16日、尹大統領と岸田首相が東京で首脳会談を行った。会談後の記者会見で岸田氏は、「日韓関係について、多岐にわたる分野で政府間の意思疎通を活性化していくことで一致した」と述べた他、「日韓安全保障対話」や「日韓次官戦略対話」、またハイレベルの日韓中プロセスを早期に再開すると明らかにした。
またこの日、日本政府は韓国への半導体材料3品目の輸出規制を解除すると発表した。一方で韓国政府は、日本の輸出規制に対抗して行った世界貿易機関(WTO)への提訴を取り下げることを決めた。
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