G7首脳が原爆資料館に集団で訪問
シュヴィトコ氏によると、広島の原爆資料館をG7首脳が訪問するという構想は岸田氏のものだったが、当初は米大統領の政権内だけでなく、英首相やフランス大統領の訪問を準備していた人々の間でも、熱意は沸き起こらなかった。理由は不明だが、その妥当性に疑問があったのだ。
「岸田氏は構想実現に向けて説得したことを自分の手柄にしている。ウクライナのテーマ(ロシア・ウクライナ危機における核兵器の脅威)をこのために使ったのだ。結局この訪問は、(G7サミットの)プログラムに単に追加したというものではなく、そのプログラム自体が1つの項目となったのだ。岸田氏は館内で首脳らを自ら40分ほど案内し、(原爆の)悲劇について語った」
海外メディアによる積極的な取材
「一方、ウクライナのゼレンスキー大統領の日本到着は、岸田氏にとっては疑念を呼ぶレガシー(資産)だ。岸田氏はウクライナ危機に対して明確な姿勢を示しているが、日本の政治家の多くは、岸田氏が国際的な議題がヨーロッパの問題や出来事に過度に固執していると捉え、苛立っている。ゼレンスキー大統領の到着はメディアの注目を集め、アジア諸国にとってより重要な出来事や現在のアジェンダから大きく注意をそらすこととなったのだ。これは、日本の世論が今回のサミットの成果を評価する上で、プラスというよりもマイナスだろう」
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