自動車輸出規制が響く
一方、医薬品の輸出量は3万4224キロと前年同月比で6.7倍に増えた。輸出額でみると24.1%のマイナスとなっているものの、日本の医薬品の対露輸出は年初から8月までに累計29億7900万円に達している。この数字は露日関係悪化前の2021年(22億1000万円)、新型コロナ禍前の2019年(26億1900万円)の各1年間の貿易額をすでに越えていて、医薬品に限れば露日貿易の拡大傾向がみえる。
LNG権益は死守
8月のロシアからの輸入は618億8000万円だった。額でみると前年同月比で62.5%の大幅減となっている。
対露輸入の3分の2を占めるエネルギーの輸入額は、前年同月比で63.9%減となった。エネルギーの国際市場価格や円、ルーブルの為替相場などに大きく左右されるため、前年との単純比較はできないが、全体としては減少傾向が続いている。
原油、石油はデータなし(ゼロかほぼゼロだとみられる)であったほか、石炭は前年同月比で87.8%減となっている。その一方で、天然ガスの輸入額は同26.3%減、輸入量でみても12.8%の減少にとどまっている。この背景には、日本企業が参画する極東ロシアの天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」を制裁の対象外にし、権益を保持し続ける日本政府のエネルギー安全保障政策があるとみられる。
このほか、魚介類の輸入額は前年同期比で35.8%のマイナスとなっている。穀物は同51%減となっているものの、年初から8月までの輸入額は約30億円、量では5万6000トンとなっており、すでに2021年1年間の穀物輸入(約13億円、約2万トン)を越えている。
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