17日に墜落したF35BライトニングⅡの残骸は、翌18日にチャールストン統合基地から北東に約2時間のサウスカロライナ州ウィリアムズバーグ郡で発見された。墜落の原因は明らかにされておらず、「事故」とされている。F35Bの事故は海兵隊にとってこの2カ月足らずで3件目の重大な航空機事故となった。米海兵隊は相次ぐ事故を受け、所属するすべての航空機に2日間の飛行停止を命じた。
F35はこれまでに全部で何機失われたのか?
F35は、米海兵隊(2015年)、米空軍(2016年)、米海軍(2019年)で運用が開始し、外国への輸出(初めての輸出はイスラエル、2018年)が始まって以来、高価で問題がある戦闘機という忌まわしい評判を得た。F35BライトニングⅡは2018年にも墜落しており、17日に墜落したのは11機目。その大半は米国で墜落しているが、日本でも事故が2回発生している。
F35の問題はどこにあるのか?
初飛行から約17年、そして軍で運用が開始してから8年が経った今も、F35はハードウェアとソフトウェアに影響を与える数多くの技術的問題によって懸念を呼び続けている。
F35計画の費用総額は1兆7000億ドル超とみられており、1機あたりの価格は7000~9000万ドル。F35は、トランプ前米大統領を含む米政府当局者たちから長年にわたって激しく非難されてきた。トランプ氏は当時、F35のコストは「制御不能」だと述べた。
F35はその本質上、あらゆる種類の軍部隊で使用することができ、垂直離着陸能力を備え、さまざまな搭載兵器を使用して幅広い任務を実行できるという「万能」の戦闘機という考え方の産物だ。F35は最終的に、F16ファルコンを含む、事実上すべての米国の戦闘機に取って代わることになる。
F35はなぜこれほど高価なのか?
その理由は、どうやらF35の価格高騰にあるようだ(またロッキード・マーチンは欠陥品を納入しても高い利益を上げている)。所謂「はっきりと決まっていない」契約では、事実上、あらゆる超過コストは買主、すなわち米国の納税者および不運にもロッキード・マーチンと売買契約を結んだすべての国の市民の問題となる。
他の国はF35に対して何ができるのか?
このF35をめぐって最も不快なのは、この戦闘機がすでに「時代遅れ」だということだ。米国と北大西洋条約機構(NATO)の多くの競争相手が、F35に勝つ可能性を得ている。ロシアと中国は、2010年代半ばから後半にかけて航空機の追跡能力や目標指示能力を獲得している。イランは4月、同国の技術者たちがF35の探知だけでなく、個々のF35のレーダー信号も特定できる最新のレーダー技術を開発したと発表した。これはイランに防衛作戦を計画する可能性を与えているという。
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