「ノルドストリーム」の爆破工作

誰が「ノルドストリーム」を爆破したのか 独メディアの最有力視はウクライナ関与説

ガスパイプライン「ノルドストリーム」と「ノルドストリーム2」の爆発の捜査の進展に詳しい消息筋らは、爆破テロにウクライナが関与した痕跡があると確証している。第2ドイツテレビとシュピーゲル紙が報じた。
この記事をSputnikで読む
シュピーゲル紙の報道では、公式的な連邦検察庁は不審者に対する捜査を続けているものの、ウクライナ関与説が「一番説得力が高い」とみられている。その一方でロシア人がこれに関与したことを示す信憑性のある証拠はない。
第2ドイツテレビによれば、捜査委員会の注意の中心にいるのは依然としてヨット「アンドロメダ」の6人の乗組員グループ。第2ドイツテレビは特務機関内の消息筋からの情報として、アンドロメダがバルト海での爆発の前後、ウクライナに滞在していたことは、独捜査委員会が知りえた技術的なデータから証明されていると報じている。第2ドイツテレビによれば、独連邦刑事庁の捜査でアンドロメダの船内から爆発物のオクトーゲン(シクロテトラメチレンテトラニトラミン、HMX)の痕跡が発見された。この爆発物がダイバーらによって海中に下ろされ、パイプラインの近くに固定された。
「ノルドストリーム」の爆破工作
ノルドストリーム破壊はドイツ経済の破綻を招く=パトルシェフ安保会議書記

2022年で最も世界を揺るがした問題

2022年9月26日夜、ロシアと欧州を結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」の3つのパイプラインがほぼ同時に損傷した。損傷したのは、「ノルドストリーム1」のパイプライン2本と「ノルドストリーム 2」のパイプライン1本。爆発現場からは異物と爆発物の痕跡が発見された。
2023年2月、ピューリッツァー賞を受賞した米国の記者、シーモア・ハーシュ氏が爆発に関する調査結果をまとめた自身の記事を発表した。ハーシュ氏はこの爆破事件には米国が関与していたと断定したが、これに対して米政権は、ハーシュ氏の結論をナンセンスとして否定した。
3月7日付けの米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、諜報機関の話を引用し、ノルド・ストリームに対する攻撃は親ウクライナ派が仕組んだと報じた。同紙によると、西側諸国は武器供与を行うため、この破壊工作での「ウクライナの痕跡」を隠蔽した。
ハーシュ氏の調査がメディアに大々的に取り上げられなかったのに対して、ノルド・ストリーム事件「親ウクライナ説」はすぐさまメディアに報じられ、これが事件をめぐる流れを急変させた。ハーシュ氏は、こうした西側メディアの報道は、「論理的に一番の(関与がありうる)ジョー・バイデン米大統領」以外の人物に世間の注目を集中させようとするCIAの仕業だと見ている。
関連記事
ノルドストリーム爆破は国家の直接支援があってこそ起こり得た=国連ロシア代表
CIAは「ノルドストリーム」爆破テロへのウクライナの関与についてベルギーに通告していた=メディア
コメント