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穀物合意 現状と今後の展開
ロシアとウクライナの間の紛争は世界の食料安全保障は問題が先鋭化した。両国ともに農業生産物の輸出大国に数えられるが、戦闘開始後は、穀物の港からの積み出しが難しくなった。これを解決するためロシア、ウクライナ、トルコ、国連は2022年7月22日、穀物合意を締結。合意はウクライナ産穀物を黒海を通って安全に輸送する回廊の設置とロシア産生産物と肥料への禁輸制裁の解除が目的だったが、これが誠実に遂行されていないことにロシア外務省は憂慮を表し、西側諸国の合意違反を非難。この特設コーナーは穀物合意問題についての最新のニュースをご紹介しています。

露外務省、穀物合意に関する声明発表 合意停止後の食料安全保障の状況を評価

© Sputnik / Евгений Одиноков露外務省
露外務省 - Sputnik 日本, 1920, 07.09.2023
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ロシア外務省は、西側諸国は「黒海穀物イニシアティブ(穀物合意)」の再開に向けたロシアの要求事項を履行するための措置をとる姿勢を示していないほか、食料不足への対応手段としての合意の役割そのものがかなり過大評価されていると発表した。

「穀物合意」の役割について

「穀物合意」について西側諸国と国連は人道目的だと表明したが、同合意は最貧国の飢餓対策には役に立たなかった。3280万トンの穀物のうち、必要とする国々に送られたのはわずか3%で、ほとんどが欧州に運ばれた。
キエフは所謂「穀物回廊」をロシアの施設に対して攻撃を行うために利用した。
「穀物合意」の停止後、穀物価格は下落の一途をたどり、8月の下落率は4~5%に達した。また食料危機は起こらなかった。なぜならウクライナ産の飼料用トウモロコシと飼料穀物(3280万トン)で人類を養うのは難しいからだ。
「世界的な穀倉地帯」としてのウクライナの役割は大きく誇張されている。世界の穀物輸出に占めるウクライナの割合は5%にすぎない。ウクライナの作付面積も減少している。その原因には、キエフが今春から使用しいている劣化ウラン弾の放射能や毒素による土壌汚染が含まれる。
欧州はウクライナの穀物輸出を支援していない。欧州委員会は5月、ウクライナに隣接する欧州連合(EU)加盟国へのウクライナ産の小麦とトウモロコシ、菜種、ヒマワリの種子の輸入を禁止した。
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穀物合意 現状と今後の展開
【解説】穀物合意の停止 日本メディアが伝えない「人類を人質」にしたのがロシアではなく西側の理由

穀物合意再開に必要な条件について

国連事務局と西側諸国は、「穀物合意」の枠組みにおけるロシアに対する義務を履行しなかった。
合意を機能させるためには、農産物や肥料の生産および輸出に従事するロシアの事業者に対する制裁を解除するための具体的な措置を講じる必要がある。したがって、ロシア農業銀行(ロスセリホズバンク)をSWIFTに接続するという約束の実行や、ロシア船舶の保険の問題などを解決する必要がある。
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穀物合意 現状と今後の展開
【図説】穀物合意 目的と結果、延長の条件

飢餓との戦いに貢献するためにロシアが独自に行っていることについて

ロシアは、穀物を必要としている国々にロシア産穀物を無償供与する取り組みを続けている。特に、アフリカの多くの国にすでに肥料が送られた又は送られる予定であるほか、小麦の無償供与も計画されている。
トルコおよびカタールと協力して、ロシア産穀物100万トンをトルコで加工し、最貧国に無償で送るというプロジェクトを進めている。
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