TBSなどが配信した記者会見の様子によると、岸田首相は冒頭で、ウクライナ情勢や東アジア地域情勢の緊迫化で「世界の平和秩序は大きな曲がり角を迎えている」との考えを示し、「21世紀の世界で日本を守り、日本国民の安心を保つという政治の使命を推し進めていくうえで大事な一歩を踏み出せた1週間だった」と振り返った。
このほか、記者会見で岸田首相が述べた内容は、次のようになっている。
日米首脳会談
強固な日米同盟の重要性を改めて確認
地域国際社会の平和と繁栄のため、抑止力・対処力の強化で一致
日米韓3カ国会談など
北朝鮮のミサイル発射について、ミサイル警戒情報をリアルタイムで共有して対応することで合意
18日の弾道ミサイルの発射を受け、米韓豪加NZの首脳らと緊急会談し、ミサイル発射は「断じて容認できない」との認識で一致
日中首脳会談
課題や懸案のほか、協力可能性について習近平主席と突っ込んだ議論ができた
建設的安定的な日中関係の構築のために、首脳レベルの意思疎通をしていくことで一致
日韓首脳会談
北朝鮮問題で連携を図ることで一致
2国間関係の懸案事項の早期解決を図ることで一致
また、今回の外交日程において岸田首相は、日本と世界の平和と繁栄を守るために3つの狙いを持って臨んだと語った。
ウクライナ情勢
まず第一に、ウクライナ情勢を挙げ、国際的連携の維持・拡大が必要だとの考えを示した。G20サミットで「多数のG20諸国がウクライナでの軍事行動を非難する」とした宣言が採択されたことを高く評価し、従前の反ロシア路線を継続していく構えを示した。
グローバルサウス(途上国)との関係強化
ウクライナ情勢による国際社会の分断を食い止めるため、途上国との協力深化が必要との考えを示した。ASEANやチリ、ルワンダ、南アフリカの首脳らと意見交換し、食料エネルギー問題、気候変動、国際保健における日本の取り組みを発信したと成果を強調した。
地域情勢への対応
インド太平洋の平和と安定のため、各国との連携や対話を重ねていくことが重要との認識を示した。北朝鮮情勢に関しては、前例のない一連の弾道ミサイル発射や拉致問題について、また中国を念頭に東シナ海・南シナ海での一方的な現状変更の試みについても危機感や対応の必要性を訴えた。
一方、岸田首相は先進7カ国(G7)サミットが来年、日本の広島で開かれることや、日本ASEAN友好協力50周年を記念した特別首脳会談が今年12月に東京で開かれることにも触れ、自ら先頭に立って外交を進める考えを示した。
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