「穀物合意」の役割について
「穀物合意」について西側諸国と国連は人道目的だと表明したが、同合意は最貧国の飢餓対策には役に立たなかった。3280万トンの穀物のうち、必要とする国々に送られたのはわずか3%で、ほとんどが欧州に運ばれた。
キエフは所謂「穀物回廊」をロシアの施設に対して攻撃を行うために利用した。
「穀物合意」の停止後、穀物価格は下落の一途をたどり、8月の下落率は4~5%に達した。また食料危機は起こらなかった。なぜならウクライナ産の飼料用トウモロコシと飼料穀物(3280万トン)で人類を養うのは難しいからだ。
「世界的な穀倉地帯」としてのウクライナの役割は大きく誇張されている。世界の穀物輸出に占めるウクライナの割合は5%にすぎない。ウクライナの作付面積も減少している。その原因には、キエフが今春から使用しいている劣化ウラン弾の放射能や毒素による土壌汚染が含まれる。
欧州はウクライナの穀物輸出を支援していない。欧州委員会は5月、ウクライナに隣接する欧州連合(EU)加盟国へのウクライナ産の小麦とトウモロコシ、菜種、ヒマワリの種子の輸入を禁止した。
穀物合意再開に必要な条件について
国連事務局と西側諸国は、「穀物合意」の枠組みにおけるロシアに対する義務を履行しなかった。
合意を機能させるためには、農産物や肥料の生産および輸出に従事するロシアの事業者に対する制裁を解除するための具体的な措置を講じる必要がある。したがって、ロシア農業銀行(ロスセリホズバンク)をSWIFTに接続するという約束の実行や、ロシア船舶の保険の問題などを解決する必要がある。
飢餓との戦いに貢献するためにロシアが独自に行っていることについて
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