2019年12月9日、世界反ドーピング機関(WADA)の執行委員会は、ロシアに対し4年間、五輪や世界選手権をはじめとする国際大会への参加権を剥奪することを決定した。

そのため、ロシア選手たちは今後4年間、国歌および国旗を背負ってこれらの大会に出場することができない。また、ロシアはこの期間、世界選手権の開催や大会招致の権利も剥奪される。

来年夏には2020年東京五輪、パラリンピックが、また2022年には北京での冬季五輪、パラリンピックが迫っている。

 WADAのこうした決定は、モスクワ反ドーピング研究所のデータベースでドーピングサンプルが操作された疑いに関係する。


ロシアスポーツ界のドーピングスキャンダルの歴史

2015年11月にWADAは、2014年に自国開催となったソチオリンピックを含めた数々の反ドーピング規定違反でロシアを告発、モスクワ反ドーピング研究所の運営を停止したのをはじめ、 WADAの基準に対するロシア反ドーピング機関(RUSADA)の不遵守を確認した。

2016年にはロシアスポーツ界におけるドーピングについてリチャード・マクラーレン教授が2つの報告を発表している。


五輪のドーピングスキャンダル

2016年のリオデジャネイロ五輪は、ドーピングスキャンダルからロシア代表は限定的な参加となった。

2018年に韓国で開催された平昌五輪では、ロシア選手は、ロシアオリンピック委員会の違反に対する制裁に関わり、オリンピックの中立旗の下での参加となった。その際、ロシアのトップアスリート数十人が国際オリンピック委員会(IOC)による五輪参加の招致を認められなかった。

WADA執行委員会は2018年9月にRUSADAの地位を回復した。

2019年9月、WADAは、モスクワ反ドーピング研究所のデータ操作の疑いから、新たな調査を開始した。このデータは2019年のはじめにWADAに提出されたものだった。

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